引越しをして新居に移り、荷物もほぼ片付いて、さあ新しい生活を…という頃になって、何故か憂鬱な気分が続くという人は少なくありません。
軽いうつ症状に似ていることから、「引越しうつ」と呼ばれています。
そんな呼び名が付くほど、引越しうつになる人は多く、しかも、仕事の都合などで渋々引越したような場合になるとは限りません。
住みたかった街への引越しや念願のマイホームを購入したというような喜ばしい引越しの場合でも、「引越しうつ」に陥ります。
引越しをすると、住む家はもちろん、周囲の環境が一気に変わります。
環境の変化は、それが嬉しい変化だったとしても、少なからずストレスを感じるものです。
新しい生活に対する漠然とした不安もあります。
引越ししたばかりの家は、自分の家ではあってもまだ変化の途中にあるので、これまでとは動線が変わったり、探しものがすぐに見つからないなど、日常生活での小さなストレスも気づかないうちに重なっていきます。
引越し前や引越し直後は、荷造りや移転手続き、荷解きなど精神的にも肉体的にも重労働が続くので、新居に移って少し落ち着いてきた頃に、それまでの張りつめていた気持ちが急に緩み、ストレスも重なって、うつ症状となって現れるようです。
この、うつになるのは男性より女性が多く、特に自宅にいる時間が長い専業主婦がなりやすい傾向にあります。
職場や学校という自宅以外の場所をもつ家族と比べると、孤独や不安を感じやくなるようです。
一般的な症状としては、
- 「気分が塞いだ状態が続く」
- 「寝つきが悪くなったり、朝早くに目が覚めたりする」
- 「外出が億劫になり、家にこもりがちになる」
- 「意欲が低下する」
- 「急に泣き出すなど、涙もろくなる」
というものが挙げられます。
生活が落ち着き、本来の自分のペースを取り戻すにつれて自然と改善されますが、あまりにも症状がひどい場合は、心療内科にかかるのも一つの方法です。
また、責任感の強い人、社交的な人ほど、引越しうつになりやすいとも言われています。
新しい家に移ると、早くきちんとしよう、早く落ち着こうという気持ちが働き、自分自身にプレッシャーを与えて、それがストレスにつながります。
新しい生活と気負いをせず、ほどほどに手を抜いて、焦らずゆっくりと新しい環境に慣れていきましょう。